こんにちは、ichiです。
ぼくは人事歴15年以上で現在は社員約1,600名の会社の人事マネージャーをしています。
そんなぼくも大学時代は、将来やりたこと・志望業界など全くなく、何から就職活動(以下、就活)を始めていいのか分かりませんでした。
しかも、時代は超就職氷河期。
なんとくなく就活をしていましたが、恥ずかしながら結局アルバイト先に就職をしました。世間から見れば就活失敗組ですね。
これから就活を始める方や始めたはいいけど上手くいっていない方向けに、自身の経験や人事の目線で記事を書きますので、参考になれば幸いです。
やりたいことがない!志望業界なんてない!
就活を始めた段階で、やりたいことが決まっている大学生はかなり少数です。だから全く心配することはありません。
もっというと、就活が終わった段階でもやりたいことが見つかって、内定企業に入社を決めたという人はそう多くはないです。
やりたいことを見つけるのは容易ではありません。
内定先に入社を決める際の本音は「人がいい」「社風がいい」「給料がいい」「働くイメージが持てた」「やりたいまでは言えないけど面白そうと思った」ぐらいなんです。
周囲でやりたいことが見つかっている人はごく少数ですよ。そんな方と比較して、焦る必要はありません。
就活していると他にも周りと比較することが多くなります。自分に自信がないと周りの学生が「すごく優秀」に見えることが多くないですか?ぼくはめちゃくちゃそうでした。スーツ着ているとみんな賢く見えるんですよねー。
でも逆も一緒なんです。あなたもそう思われていますよ。みんな同じです。
就活のベテランっていないんです。多少の経験の差はあると思いますが、基本同学年で初心者さんばかりです。
こんなふうに考えると少し楽になると思います。それでも不安な方は、実践あるのみ。数をこなすことで自信につながります。
志望業界あるある。その業界、本当に志望してる?
就活を始めたばかりの学生と話をすると志望業界は「金融」「広告」「食品メーカー」がめちゃくちゃ多いです。
これは、知っている業界がそれしかないとか、ドラマの影響などでイメージしやすいからなんですよね。
しかし、実際の内定先は、当初の志望業界と違う方がほとんどです。
とくに「金融」と答えた方は、親からの薦めやなんとなく安定してそうというイメージで最初は志望していますが、知れば知るほど自分に合わないとフェードアウトする方が多いです。
いろいろな企業を知れば知るほど、やりたいことが見えてくるものです。
志望業界の見つけ方・探し方
まずは知ることから始めよう!
ぼくの学生時代のことを考えると業界・企業のことを本当に分かっていませんでした。
そもそも働きたいとか思っていませんでした…
そして勝手な想像で、この業界は違う、この会社は違うなど排除し、少し気になった企業だけの話を聞いて進めていたので、正直、あまり多くの企業を見ていなかったです。
自分の視野を自ら狭めていましたね。本当に失敗したと思います。
今、ぼくが就活をするなら、まずはたくさんの企業を知ることから始めます。
では、どうやって知るの?
- ナビサイトや気になる企業のHPを見る
- 合同企業説明会に参加する(web・対面どちらでも可)
- インターンシップに参加する
ナビサイトや気になる企業のHPを見る

ナビサイトやHPにはたくさんの情報が載っていますので、インターネットでの情報収集は基本中の基本です。
しかし就活初期では、正直あまりオススメではありません。就活を始めたばかりのあなたが見ても、文字を読んでその業界のこと、会社のイメージを感じることは難しいと思います。
逆にこれをやって、就活をやった気になるのがとても怖いですね。
やりたいことが見つかっていない段階では、こちらを行うよりは、次に紹介する2つのことを積極的に行い、直接話を聞き、その会社を理解するとともに、雰囲気などを感じる方が圧倒的にいいです。
合同企業説明会に参加する(web・対面)
合同企業説明会って「あまり意味がないよ」という先輩もいるかもしれません。
それは、やりたいことがある程度決まっていた人であったり、そもそも合説を上手に活用できなかった先輩の意見だと思います。
ぼくのなかでは、短時間で企業のことを知れる絶好の場であり「やりたいこと」が見つかっていない方へはすごくオススメしたいです。
合説では、20分~30分程度で、企業の概略を説明してくれます。そのため、1日で多くの企業の話を聞けたり、今年からはweb合説が主流になりつつあり、自宅からでも簡単に視聴することが可能になっています。
合説の効果的な利用方法は、興味がある企業5割、興味がない企業5割ぐらいで参加してみるといいでしょう。
多くの学生が、就活を始める前に知らなかった企業、興味を持っていなかった企業に就職しているのは事実です。
興味を持っていなかった企業でも話を聞いてみると、おもしろいビジネスモデルだったり、雰囲気が良かったり、思いがけない出会いが待っていることが多くあります。
先入観を捨てて参加すると、幅が一気に広がります。
仮に、話を聞いたけど全く興味を持てなかった企業があった場合は、それで終わればいいんです。次のステップに進まななければいいだけです。
時間の無駄だったなんて決して思わないでください。「自分には合わなかった」という答えが見つかった、「比較対象が増えた」ということが大収穫なんです。
比較できる企業が増えれば増えるほど、見る視点が備わってくるはずです。
企業の魅力を構成する8つの要素である「企業規模」「事業内容」「理念」「仕事内容」「社風」「人」「施設・環境」「制度・待遇」のどの部分に対し、自然と視点がいっているか、魅力に感じるかを整理していくと、少しづつ自分が好きなこと、興味を持っていること、もっというとやりたいことがみえてきます。
インターンシップに参加する
そんななかで、興味を持てた企業については、ぜひインターンシップに参加してください。
インターンシップでは、合同企業説明会以上に企業のこと、雰囲気などが知ることができ、自分の働くイメージを持ちやすくなります。
さらには、選考特典をもらえるケースも多いです。
人事目線の裏話をすると、ぼくの会社では、約8割の内定者がインターンシップ参加者であり、インターンシップの重要度はとても高まっています。
インターンシップは採用と直結してはいけないと言われていますが、実際のところ企業サイドとしても採用目的がほとんどであり、参加者を優遇したり、インターンシップに力を入れている企業は多いです。
それはなぜかというと、インターンシップに参加している学生は、参加していない学生に比べ、企業理解度が高く、自然と志望度も高くなる傾向があります。その結果、内定承諾率が高いため、効果的な採用活動ができるのです。
少し、企業サイドのメリットも考えてみるとおもしろいですよね。
知ったら見えてくる「やりたいこと」

このように、業界や企業を知っていくことで、自然と自分がこの会社「おもしろそう」「興味を持った」「働くイメージが持てた」など出てくるはずです。
それが、あなたの「やりたいこと」につながっていくと思います。
「やりたいこと」って難しく考えなくていいんです。
この会社「おもしろそう」とか、「この会社(業界)で働いてみたい」とかなんとなく思ったところから始まります。
そのあとに、どこに興味を持ったかを紐解いていくと「やりたいこと」「志望理由」になるんです。
それぐらいでいいんですよ。

就活初心者におすすめの本
就活でおすすめしたい本はたくさんあります。まずは、入門書といえるこの2冊をから入りましょう。
就活で自己投資は必要です。ケチらずたくさん本を読みましょう!
絶対内定2022: 自己分析とキャリアデザインの描き方
20年以上の就活本ロングセラーの最新版です。これを読めば、就活の基礎はわかると思います。採用担当者も見ていることも多く、実はぼくも最新版を買いました。
「会社四季報」業界地図 2022年版
業界と言われても良くわからないと思いますので、まずはこれをさっと見て、業界研究をしてください。どの業界にどのような会社があるのか、業界の将来性などがわかります。まずは知ることを行ってください!
まとめ
「やりたいこと」をあまり難しく考えず、
「やりたいこと」=「楽しそう」「おもしろそう」「自分の働くイメージがもてた」
でいいと思います。
多くの就活生が、就活を終えたあとに「もっと早くからいろいろな企業を見れば良かった」といいます。
「知る」ことが、就活の第一歩です。後悔しないようにまずは「知る」活動に力を入れてください。
今後も、就職活動の参考になる人事目線の記事を書いていきます。
今日はここまで。