人事&就活

【人事が教える】内定辞退 電話での断り方 意外と簡単実例付き

内定が複数でた場合や志望度が低い企業から内定が出た場合、辞退連絡って気まずいですよね。

メールでもいいの?電話じゃなきゃだめ?

どう伝えればいいの?

人事の方に嫌がられず、うまーく断る方法をお伝えしていきます。

ichi

筆者はFラン大学出身の人事歴約15年のサラリーマン。社員数約1,600名の会社で人事マネージャーをしています。

スルーは絶対だめ!

当たり前ですよね?

しかしこの当たり前がそうではない方もいます。個人情報をすでに提供しているのになぜそんなことできるの?

感心さえ覚えます。

なぜだめか?

企業は採用人数があり、それを基準に順番に合否を出しています。

あなたが辞退すると企業は別の方を採用しなければならないし、他の方にチャンスが周ります。

自分が良ければいいという考えはダメですね。

それに連絡をしないと企業側から何度も連絡が入ることもあり、中には緊急連絡先に電話をするという会社もあります。

そんな面倒なの嫌ですよね。だったら電話してさくっと終わらせましょう。

企業が行うサイレント

スルーはダメと言っておきながら、企業側にもサイレントと呼ばれる仕組みがあります。

これには2種類存在し、選考時に下記のようなアナウンスをされます。

  1. 合格の方には順次連絡します
  2. 期日までに連絡なければ不合格です。

①合格の方には順次連絡します

正直ぼく個人としてはこのやり方は賛成しません。

これはあえて不合格者に、不合格と言っていません。

なぜか?

保険を掛けているのです。

合格者の中から辞退がでたり、予想を下回る採用となったタイミングで合格を出そうと考えてます。

ずるい!

たまにあります。「落ちたと思っていた会社から2ヶ月ぐらいして連絡きて合格したので辞退させてください!」みたいな連絡。

そんな不誠実な会社どうなの?と思いますが、どうしても入りたかった会社ならそんなの気にしない方もいるのです。

ちなみにぼくの会社では合否いずれの場合も必ず連絡しています。

②期日までに連絡なければ不合格です。

んー。これは百歩譲ってOKとしましょう。

少なくても期日を言ってくれており、結果の判断ができます。

学生の皆さんにとっても白黒はっきりし次に進むことが出来るでしょう。

本来は、企業も学生も期日内にしっかりと連絡すべきですけどね。

強い引き止めの可能性は低い

意外かもしれませんが、今の時代、多くの企業は辞退連絡がきた際に、それを「なんとか引きとめよう」とは思いません。

もちろん辞退は嬉しくはないし、「なんで?」と思う気持ちがあります。

しかし無理やり引き止めても仕方がないし、強引に引き止めても後に辞退される可能性が高まります。リスクしかないです。

また辞退者は相当な思いで決断し、電話をしてきているので覆る可能性も低い。

さらに辞退後は企業によっては、自社のユーザーになる可能性がありますので、お別れこそいい印象を持っていただくことを意識している会社は多いのではないと思います。

それに下手に出る必要はありません。そもそも企業と学生は対応なのです。企業も選考をするし、学生も企業を選びます。

どっちが偉いとかないんです。

辞退するということは当たり前にあるんです。人事もそれは理解しています。下手に出る必要はありませんが、誠意を持ってお断りいただくといいでしょう。

電話?メール?

多くの場合は辞退連絡はメールでお願いしますと言われることでしょう。

ではなぜ電話して欲しいか。

最終的にどの企業を選択したのか?それはなぜか?をヒアリングしたいのです。

採用活動は毎年PDCAを回し、試行錯誤しながら行っていきます。

内定者には、今後の参考になる質問がいつでもできますが、辞退者には基本できません。

この辞退連絡時が最終のヒアリングポイントなのです。

指定がなければメールでもいいかもしれません。

でも人事としては電話連絡が嬉しいので、最後はお互い気持ち終わるためにも電話をしましょう。

なお、選考中の辞退は正直連絡しなくてもいいし、メールを送っておくとより印象がいいです。

電話では何を聞かれるの?

当社では「どの企業を選択したのか?」「理由はなぜか?」を聞いてデータ化しています。

ちなみに承諾予定の会社を教えないとダメか?という質問がよくあります。

これは、ぜひ教えてあげてください。

決して就職企業に対し、嫌がらせをしたり、密告することはありません。

企業はコンプライアンスが非常に大切です。個人情報を安易に漏らすことは許されません。

そんなことをしたら悪い噂がすぐに広がります。

今後の参考にしたいので最後の置き土産だと思って教えてあげるといいでしょう?今までこの仕事してきて、教えてくれなかった人は年に1、2名です。

もしそのような不安を持っているなら全く心配する必要はないのです。

【人事の本音】面接で他社選考状況の伝え方!企業名は伝える!? 面接で必ずと言っていいほど、他社の選考状況を聞かれます。 これは、なんて答えるのが正解? 御社が第一志望で、他社は受けてい...

内定辞退の断り方実例

学生

私、〇〇大学の〇〇と申します。人事担当のichiさんいらっしゃいますでしょうか。

(電話に出た方:〇〇さんですね。取次ぎますので少々お待ちください。)

ichi

はい、お電話かわりました。人事のichiです。

学生

私、内定を頂いた〇〇大学の〇〇です。本日はいただいた内定についてのお返事でご連絡させていただきました。

ichi

ありがとうございます。ではお返事聞かせてください。

学生

はい。せっかく内定を頂いたのですが、今回は内定を辞退させていただきたいと思います。誠に申し訳ありません。

ichi

そうなんですね。理由を教えていただけますか?

学生

はい。以前からお伝えしていた〇〇株式会社から内定を頂き、とても悩んだのですが、自分の働くイメージが〇〇株式会社さんの方が持てたこと。自分の軸によりマッチした仕事だと考えました。家族とも相談し、最終的にこのような決断となりました。

ichi

当社も十分に〇〇さんの軸にマッチしてるんじゃないかなー?

学生

はい。マッチしており、志望度も高く最後まで選考を受けさせていただきました。しかし、〇〇株式会社さんの方がよりそれを感じ、頑張りたいという結論になりました。

ichi

残念ですが仕方ないですね。ここまで当社の選考を受けていただいてありがとうございました。ぜひ、後輩の方に就活の相談をされたら当社のことを勧めてくださいね。

学生

もちろんです。ありがとうございました。それではこちらで失礼いたします。

先ほど申し上げた通り、引き止めしても無駄なことは分かっているので、こんな形がオーソドックスだと思います。

人事が知りたい、理由と実際に選んだ企業を真っ先に教えてあげましょう。また、家族とも相談した結果ということも伝えましょう。

そうすれば面倒なことになりづらいと思います。

中には、怒る会社やねちねち詰めてくる会社もあるようです。もし、このような企業が相手だったら、まともに戦わず、その場だけ誤って相手の怒る気持ちを失わさせるといいでしょう。

心の中では「あー本当にこの会社選ばなくてよかったー」と笑っていればいいのです。あなたの勝ちです。

怒ったり、ねちねちするのは、完全にストレス発散、もしくは電話を会社の周囲の人が聴いているのでアピールなんです。

うちの会社はしません。でも未だにこのような会社があるんですよね。気持ちはわからなくはないですが、得が全くないですよね。

【番外編】辞退後のお詫びの手紙はいらない

辞退後にご丁寧に手紙を送ってくる方がいます。

これは本当に不要です。見てもどうもできないし、取っておくこともできないのでこれはやめましょう。

気持ちなのでしょうが、時間・お金の無駄。完全なる自己満足です。

承諾後辞退はNG

承諾後の辞退は基本やめよう。

「承諾したあとに辞退をする」これは違法ではありません。内定承諾書に法的拘束力はありません。

しかし、マナー違反ではあります。

あなたが入社を承諾したことでこんなことが起こります。

  • 入社の準備を進める
  • 他の選考中の学生を不採用にする

企業の準備も無駄になりますし、中には再度採用活動を行わないといけないケースもあります。コストやマンパワーがとてもかかります。

アルバイトの採用とはわけが違うのです。

もっと影響が大きいことは、他の人の人生に影響します。

あなたが軽い気持ちで入社を承諾したことで、本気で入社したかったけど不採用になった方が居る可能性があります。

その方の人生は大きく変化します。この重大なを理解した上で決断をしてください。

そもそも決断をできない人、するい人は社会人になっても活躍できないとぼくは思っています。

決断をする力をつけましょう!

まとめ

内定辞退の連絡は勇気がいることだと思います。

しかし、自分や企業そして他の応募者のためにも早めに連絡し、すっきりしましょう。

  • 連絡は電話でする
  • 辞退理由と承諾企業を包み隠さず教える
  • 学生と企業は対等だと考え、あまり仕立てに出過ぎない(偉ぶるのはダメ)
  • 勇気を誠意を持って連絡する

就活は選考中も悩みますが、最後の選択が一番悩みどころです。

自分の目でしっかり企業のことを知り、決断してください。

決断したらあとは自分の決断を信じ、前に進むだけです。

きっと今までの人生もそうだったはず、選択に後悔なし。

こちらの記事もおすすめ