面接で必ず聞かれる「志望動機」。頭を悩ませる学生は多いですよね。
そんな私も学生時代は、全く考えることが出来ず、当たり障りのない、誰にでも思いつくような志望動機を伝えていました。
だって、志望理由ってぶっちゃけ「大手」「ネームバリューがある」「給料がいい」「人がいい」「福利厚生がいい」「楽そう」とかで、素晴らしい動機なんてないんですよね。
わかる!
でも、15年近く面接官をしていると、なんでこうも志望動機がへたくそな学生が多いのだろうと思うこともしばしば。
そんな志望動機を考えるのが苦手な皆さんにひと工夫するだけで差別化・印象がアップする攻略法をご紹介します。
筆者はFラン大学出身の人事歴約15年のサラリーマン。
社員数約1,600名の会社で人事マネージャーをしています。
志望動機は8割同じ回答
ぼくの肌感ですが、志望動機の約8割は一緒。企業ごとに主な志望動機ベスト5があって、8割はこの上位5つを答えています。
最初の1文で「はい、このネタきたーって人事は内心思っています。」
じゃー志望動機なんて聞かなければいいんじゃないの?と思いますよね?
実は、面接官を初めて数年はそう思っていました。聞いても本音じゃないような気がするし、だいたい言っていることが同じ、聞く意味あるのかなー?
【人事の本音】志望動機を聞く理由

大体が似たような志望動機なのですが、やっぱり違いが見えてきます。
だから、志望動機は必ず聞くのです。そんな志望動機を聞く理由を3つご紹介します。
- 軸(コア)に基づくやりたいことをチェック
- どのような表現・伝え方、プラスアルファができる人材かをチェック
- あなたの思いの強さや深さ(熱意)をチェック
①については、その人の就活の軸を確認しています。軸と自社がどうマッチしているか、マッチしているポイントをどのように捉えているかを確認しています。
しかし、正直なところあまり差がつきません。
よっぽどその会社でやりたいことが明確になければ、大体の方が同じような回答です。
そのため、ここで差をつけようと思わなくて大丈夫ですが、しっかりと伝えることはしましょう。
②については、面接全般を通じてなのですが、相手に伝える能力が高いかを見ています。志望動機は間違いなく事前に準備してきます。そのような質問だとマニュアル的な回答になる方が非常に多いです。
ここで差をつけるには、覚えた文章を読むのではなく、自分の言葉で相手に伝わる表現にしましょう。
覚えてきた志望動機を棒読みで伝えると、一気に面接官からの評価が下がります。棒読みでなくても急に丁寧語になるのもNGです。そのあとの挽回が大変です。
③については、特に最終選考では要チェックされます。
志望度については、別の記事で紹介していますのでそちらをご覧ください。

会社のことをよく知らないから書けない・答えられない

志望動機の多くは、「大手」「ネームバリューがある」「給料がいい」「人がいい」「福利厚生がいい」「楽そう」とかで、素晴らしい動機なんてないんですよね。
学生の段階で、本気でその仕事がしたい、その会社で絶対に働きたい、将来のビジョンがあるという方は稀です。
いいんです。特に入り口の段階ではOKです。
しかし、企業をたくさん見ていくと、自然と自分が見ているポイントが分かってきます。
比較対象が増えれば増えるほど、分かってきてミスマッチが減るでしょう。
その会社のどこが気に入ったのか、小さなことでもいいので、書き出しましょう。より具体的なほうがいいです。
webやHP上だけでは、表面的な部分しか見えないので、できればインターンシップに参加してみる、合説(webでも可)、OBOG訪問などリアルな部分で感じたことがあるといいです。
その際に、説明する人が言っていて共感した部分はしっかりメモを取りましょう。
インターンシップや会社説明会でスライドを必死でメモする人がいますが、それも大事ですが、その時に感じた感情をメモしておくといいです。
その時の感情って意外と後になると忘れてしまいます。
差別化・印象アップの志望動機ポイント

①自分を軸に伝える
志望動機は会社の良いところ、魅力的な部分を伝えることになります。しかし、ただそのポイントを伝えるだけでは相手に全く響きません。
ではどうすればいいか。
自分を中心に伝えていくのです。
自分の強みがこう活かせそう。自分の就活の軸とこの部分がマッチしている。自分の好きな考えやモチベーションになることとリンクしている。
といったような、ただ企業の良い部分を伝えるのではなく、自分とどう関連するかを伝えると相手はイメージがしやすくなります。
②会社の人が言っていた言葉を引用する
ホームページなどに書いてある言葉を引用する人は非常に多いです。
そこで差別化するのであれば、自分が見聞きしたものを使うのがいいでしょう。
例えば、社員の行動・様子・発言から雰囲気の良さを感じた。魅力を感じたとなると納得感がでます。
これは意外と効果的です。
③できるだけ具体的に記述しよう
抽象的な言葉は全く響きません。
ビジョンに魅力を感じたとか社員の雰囲気が良いと感じたではなく、ビジョンのこの言葉・この表現に魅力を感じた。
ビジョンが社員に浸透している、ビジョンが社員のこの行動に活きていると感じるとか、具体的なポイントがあるといいです。
④「この動機なら他社や他業種でもいいよね」というものでも構わない
よく志望度を強く伝えたいと思い、唯一無二、他社と差別化する志望動機を考えようとし、間違った方向に行く方がいます。
差別化はあればいいですが、自分の価値観や判断基準に合う会社は複数あって当然ですので、無理に唯一無二にしなくていいのです。
自分の軸や価値観に沿っていれば問題なし、上記の①②③を中心にまとめてみてください。
志望動機のNGポイント

①抽象的(漠然としている)
企業研究をしておらず、当たり前の志望動機を言う。表面的な志望動機を言ってしまう。
とにかく熱意だけで乗り切ろうとする。
これは当然ダメですね。
②人・社風だけを押す
結構多いのが、人・社風を重点的に伝える。
しかし、面接官としては、その担当者は確かにいい人だけど、その人と働けるとは限らないし、そういう人ばかりではないので、そこだけを掻い摘んで、それをすべてかのように考えている人には疑問を感じます。
人に魅力を感じるのは全然いいのですが、必ず他と掛け合わせましょう。
③「やりたいこと」ベースで作らないこと
その会社でやりたいことを明確に持っている人にありがちなのが、やりたいことを必死でアピールすること。
しかし、その仕事はすぐにやらせることは無理だし、適性もあまり感じないような場合、この人はすぐにやめてしまうかもしれないと懸念を持ちます。
やりたいことがあるのはいいことなのですが、ほどほどに。
④給料や制度が最優先
待遇面は大事です。それが本音だということはありますが、そこを志望動機として前面に出すぎるのはあまり印象がいいとは言えません。
⑤社会貢献がしたい
就活あるあるで「社会貢献がしたいです」。社会貢献って何?仕事をしていて、社会貢献を感じることなんてよっぽどのことがない限り、日常生活ではありえません。
もちろん企業活動として、社会に貢献することは重要です。会社の事業が世の中のためになっている、社会貢献性があるという場合、伝え方を変える必要があります。
「社会貢献したいです。」ではなく、御社のビジネスは、社会に非常に役立っているとか。貢献度が高いビジネスとか。そういう点に魅力を感じており、自分がどのように関わっていきたいかなどを伝えていくといいでしょう。
まとめ
志望動機は、当たり前に聞かれます。なかなか差別化をするのは難しいです。
しかし、そこでしっかりを熱意を伝えられるか、相手に響くことを伝えられるかで、面接の冒頭から印象が変わってきます。
まずは、その企業を「知る」とこが非常に重要です。
知るだけではなく、伝え方も重要です。今回記載したように、いくつかのポイントを整理すれば、差別化ができます。
決して難しくないので、ちょっとした工夫で印象がアップします。
志望動機は正直あまり差がつきません。あまり難しく考えずに、いきましょう。
暗記はダメですよ。自分らしく伝えてください!!