エントリーシート(ES)は就職活動の難関の一つ。
特に文章が苦手な方、字が汚い方などは、めんどくさくて書きたくないと思うことも多いでしょう。
ぼくも本当に嫌いでしたね。
書類選考のポイントや人事の活用方法を知っておくと、作成する上でのメリハリがつけやすいと思います。
人事の目線でESの活用・選考の実態を記事にしていきたいと思います。
筆者は約1,600名ほどの従業員がいる会社の現役人事です。毎年100人以上の面接、1000通を超えるESを見ています。
エントリーシートの目的
ESは言うまでもなく、選考の第一歩。多くの企業が独自のESの提出を求めます。
その中でリクルートがOpenESという、簡単に言うと「複数の企業に使い回せるES」のサービスを行っています。
学生にとってはなんて便利なサービスだと感じますが、正直まともな企業からは大不評です。
多様性を求めている企業の気持ちとは逆に、画一化を図っていこうとするリクナビ。お金儲けしか考えていないような気がします。
各社ESにはいろいろな想いがあり、内容もそうですがWebなのか、手書きなのかも違いますね。
傾向としてはWebESが増えていますが、手書きESの企業もまだまだ多いです。
手書きESとしている企業は、学生さんからすると「面倒だなー」と思うでしょうが、画一的な採用ではなく、むしろその人の雰囲気や工夫を見ようとしている人物重視の企業だと思います。
企業選びの軸で「人」をあげている人にとっては、マッチしている企業かもしれませんよ。
企業側のESの使い方や目的

①書類選考
人事の想いとしては、できるだけ学生を直接見て選考(面接)をしたいと思っています。
しかし、応募人数が多い場合はそうもいきません。また、人事の貴重な時間をとんでもないが学生に費やすのは避けたいところです。
そのため、言い方が悪いですが、書類選考を行うことで「足きり」をするのです。
どんな書類選考をしているかは後で記載します。
②面接書類
どの選考フェーズでも面接官には必ずESを配ります。
ESを元に面接する企業は多いので、必ず面接前にその企業に提出したESをチェックしましょう。
たまに、本人が何を書いたか忘れていて、かみ合わない学生もいます。
最近はオンライン面接が増えているので、手元に置く、画面に表示できるケースも増えていますが、最終面接等でいざ対面になった時には注意です。しっかり確認しておきましょう。
企業に提出する前に必ずコピーをとっておこう!
面接官にはESは直前で渡されるのがほとんど。字の大きさや読みやすい内容とするだけで印象UP!
オンライン面接時でも基本的には見ない。最近では自身のPC画面に表示している学生も多くいます。
それを一瞬見る程度ならいいですが、読もうとするとNGです。目線ですぐわかるし、棒読みになりがちです。多くの面接を行っている人事にはすぐわかります!
③配属先資料
ESは選考中だけに使用されるんじゃないんです。
配属部署の上長には、配布されると思っていいでしょう。
在職中は企業で必ず保管され、人事はいつでも見れるようになっているものです。
最近では、タレントマネジメントシステム上にデータ保管され、新卒配属時に限らず、5年後、10年後でも所属長が入社時書類として見れるケースも増えています。
書類選考時にESって必ず見られているの?

結論から言うと、すべては見ていないでしょう。表向きは見ていると言っていると思うけど、実際はそんな暇じゃないですからね。
応募者が少なめの中小企業の場合は全員分をチェックしている可能性はありますが、応募が多い大手ではなかなか難しいです。
例えば、学校群が一定以上でかつwebテスト結果が基準以上であれば、書類チェックはほぼなし。
どちらかが基準以下の場合のみ書類を見て合否を決める。こんなやり方もあるでしょう。
書類選考時のESチェックポイント
会社によって書類選考の方法はさまざま。いくつかのパターン・ポイントを紹介しましょう。
①学歴フィルター
大手企業に多いのですが、間違いなく存在します。
役員クラスは、その年の内定者を一覧で見た際にまず学生をチェックするでしょう。
なかには、学校群ごとに数字をだし、過去と比較する企業もあります。
高学歴が多ければ、「人事は今年の採用頑張ったねー」となるわけです。
会社としてあきらかな学歴フィルターの指示があるわけではないと思いますが、大小少なからずありますね。
とはいえ、こればっかりは今更どうしようもありません。
上位校ではない方は、あきらめずに純粋にESの内容に魅力を感じて合格となるようポイントを押さえ作成してください。
②文字数・丁寧さ
各項目に対し文字数設定があれば、足りていないESをはじきます。
文字数設定がない場合は、少なくてもスペースの8割は埋めることを意識してください。
そして手書きのESの場合ですが、文字の丁寧さも重要です。
正直ぼくも字はすごく下手で手書きはすごく辛いところです。しかし、字がきれい・きたないは問題ではありません。字が丁寧か雑かどうかです。
殴り書きだったり、丁寧さを感じない方は「志望度が低い」「事務的性がない」「性格が雑」の可能性が高いと判断します。
殴り書きで書いて、受かればラッキーと思って提出するのは時間の無駄。仮に書類選考で通過しても面接時はマイナススタートになるでしょう。
③自己PR・課題
書類選考時はESのすべての項目を見ないケースが多いです。
内容でまともにチェックするとすれば、自己PR部分やその会社独自の課題や項目です。
この部分は、力を入れるようにしましょう。
④印鑑
学生の中では、「印鑑は曲がってはいけない」「印鑑を押し忘れたら不合格になってしまう」などと噂されていますが、多くの企業ではそれはありません。
複合的な要素で、合否ぎりぎりの場合は、判断基準になる場合があります。
しかし今時、押印が斜めだったり、押し忘れで落とす企業があれば、そんな企業はこちらから願い下げぐらいの気持ちでいいでしょう。
誰にでも押印忘れはあり得ます。もし、押し忘れに気づいたら、一歩連絡を入れればなお丁寧ですね。むしろ印象が上がるかも。
⑤志望動機
実はこれはあまり読まれていない可能性が高いです。
志望動機は、みんな似たり寄ったりです。面接での補足としては見ますが、書類選考で比較するには難易度が高いです。
ES提出時は、そんなに無理する必要はないと思います。
面接に進む際に、練り直してください。面接時はESに書いていない志望動機を伝えても問題ないです。
何か突っ込まれたら、「ES提出時からさらに企業研究をしたらこのような志望動機になった」といえばOKです。
⑥見やすさ
見栄え、見やすさは超重要です。
たくさんのESを見ている人事はかなり飽きています。また、面接官は面接直前に資料を渡されることも多く、一瞬で斜め読みします。
細かい文字でたくさん書いてあるとすごく印象が良くないです。
その中で文字の大きさ、色使い、イラストがあるなどは目に留まりやすいし、仮にその他の要素で不合格になりそうな場合も復活合格の可能性も十分にあります。
知人の会社ではwebテストも同時にやっており、テスト基準合格者のESはほぼ見ないそうです。見るとすれば、文字数や見栄えレベルで、とんでもない方以外は合格にしているようです。
逆にwebテストで不合格になった人のみESをチェックし、見栄えが良かったり、内容も良ければ救済するという会社もあります。
おすすめの本
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インプットも非常に大事です。普段本を読まない方も数冊は読むことをおすすめします。
自分次第で変わります。ぜひ口コミだけでもチェックしてみてください。
まとめ
エントリーシートは、学生の皆さんが思っているほど、熱心に読み込まれているものではありません。
ポイントさえ押さえておけば、少し気楽に考えることができると思います。
書く内容についてのポイントは別の記事でご紹介しますのでそちらをご覧ください。
- 文字数は8割以上
- 相手の立場になって見やすさを意識する(伝えたいポイントが目に留まるように)
- 印鑑は気にせず、文字の丁寧さを意識
自分ではエントリーシートが上手くかけているか判断つきづらいものです。
できれば、家族や友人、キャリアセンター、人材紹介会社を活用しチェックしてもらってください。
人材紹介会社は無料で有効活用すべきですので下記の記事を参照してください。
